アベノミクスの3年間は何だったのか。いまやアベノミクス破たんは明らかですが、改めて暮らしの目線から確認したいと思います。
「雇用は100万人以上増えた」というが、増えたのはもっぱら非正規労働者の雇用。2012年と2015年を比較すると、正規雇用が36万人減って非正規雇用が167万人増えた。アベノミクスの下、雇用の非正規化が一段と進んだということ。

「2年連続で給料が上がった」というが、大企業で賃上げがあっても、中小企業を含めた事業所、正社員だけでなくパートタイマーも含めると、賃金はむしろ下がっている。消費税8%増税や輸入原材料の高騰で物価が上がり、モノやサービスの購買力を表す実質賃金はさらに落ち込んでいる。「安倍政権の3年間で賃金水準は下がった」ということ。

「中小企業の倒産件数は減った」というが…。減少傾向は安倍政権が発足する前の2009年から始まっっている。当時の「中小企業金融円滑化法」の影響が大きい。中小企業の動向を見るときに重要なのは「休廃業・解散」。倒産に至る前に自主的に事業をたたむことで、実質的には倒産に近い状況。この件数が近年高水準で推移している。2013年には過去最高を記録。2015年も26699件と、倒産件数8812件の3倍以上に上っている。

(「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫氏の論文を参照)

 

 

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