上程されました第5号議案 平成31年度中野区一般会計予算に賛成、第7号議案 平成31年度 中野区国民健康保険事業特別会計予算に反対する討論を、日本共産党議員団の立場からおこないます。
酒井直人区長のもとでの初めて編成・提出された予算案です。
区長が区長選で掲げた公約を守り進めようと、アリーナ整備の見直しなど先送りとなった案件はありますが、予算の提案・審査に先駆けて、平和の森公園の草地広場のトラック整備などの中止・見直しや、公契約条例及び子どもの権利条例の制定に向けた検討など、区民の願いに応えようとする姿勢は評価できます。

はじめに、一般会計予算案についてです。
賛成理由の第一に、「子育て先進区・中野」を目指すことを重視した予算案となっていることです。
 予算案では、来年度も待機児童解消のために認可保育園を増設することに加え、貧困対策への視点を持つ子ども・子育て施策充実に向けた実態調査の実施、区立小中学校体育館の冷暖房化の実施、不妊検査及び特定不妊治療等に係る助成制度の開始、生活保護基準引き下げに連動させない就学援助認定基準の維持、学童クラブ保育料の軽減措置の対象拡大、私立保育園の保育所運営充実費の加算、区立小中学校の校割予算の増額など、区民・PTA・保護者からの強い要望が盛り込まれたもので、我が会派も常々求めてきた事業であり、予算案に計上されたことを高く評価します。

 賛成理由の第二に、根強い住民運動を背景として、区民参加の区政を掲げた区長による様々な形での区民意見・要望の聴取と集約の実施、何よりその意見・要望を聞き置くだけとせずに予算案に反映させたことです。
 哲学堂公園の観光拠点方針の撤回・再生整備の見直しなどは、公園利用者や係わった住民から歓迎されています。旧中野刑務所正門学術調査の費用が計上されていますが、多角的に調査・検討するとしながらも基本的に現地保存による文化財指定をめざすとしていることは重要です。毎年、障害者団体から要望が提出され、陳情採択により議会側の意思が示されていたにもかかわらず、3年間も放置されてきた精神障害者に対する福祉手当支給についても評価できます。また、単身者の入居支援サービス「あんしんすまいパック」の実施や、認知症高齢者等個人賠償責任保険の実施についても多とするものです。

 一方、予算案では、区民の暮らし向きを見たときにいっそうの区民福祉の向上、区民要求に応えていく施策・事業の展開が必要であったと考えます。
一般会計予算案は、1521億7200万円と区政史上最高額となりました。歳出でみれば学校施設の建替えや新体育館の整備、公園の改修などの投資的経費の支出が今年度と比べて大幅に増えています。歳入では、ふるさと納税や法人住民税の一部国税化の影響はあるものの納税義務者数の増加と特別区交付金の増額により最大規模の予算案が編成・提出されました。定例会の一般質問と総括質疑でも取り上げましたが、これまでの財政運営の考え方を踏襲した基準となる一般財源規模の設定については課題があると認識しています。本予算案においても設定した基準となる一般財源規模の金額が、歳入である一般財源に比して相応しくないことを指摘しました。こうした設定のあり方から、今年度の当初予算99億円の基金積立額は下回るものの、来年度も92億円を年度初めから積立てるものになっています。
執行機関として、財政運営については財務規律を重んじる必要はあるでしょう。しかし、厳格さとともにしなやかさを持つことも大切だと考えます。基準となる一般財源規模の検証、見直しにあたっては、そのことも踏まえた議会・区民が納得できる財政運営の考え方となることを強く要望するものです。

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