2018年第4回定例会本会議にあたり日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。

1.区長の政治姿勢と区政運営について

(1)政治姿勢について 

〇消費税増税に係わってうかがいます。
安倍政権は、来年10月からの消費税増税を表明しました。いま10%への税率引き上げについて、各方面から反対や懸念する声が出されています。内閣官房参与を務める藤井聡・京都大学大学院教授もその一人です。藤井内閣参与は、反対の理由を「日本経済を破壊するから」とズバリ指摘し、その上で、「日本経済にはまだ2014年の消費税増税のインパクトが濃く残っている。消費税率を8%に上げた結果、家計の実質消費支出は2014年から減り続け、昨年までの4年間で7%も減少した。消費税を増税すれば消費は低迷し、国民の貧困化がさらに加速するのは間違いない。しかも来年は東京オリンピック・パラリンピックの建設特需が終わる時期で、経済のさらなる悪化が危惧される」と述べています。さらに、「大企業向けに法人税の減税が繰り返されてきた。消費税増税は、その減収を穴埋めするためにほかない。今なすべきは消費税増税ではなく、所得税の累進課税を強化し、法人税率を引き上げること」だと言います。
 消費税8%が行われてから4年半、消費は冷え込んだままです。総務省による家計調査を見ると、2014年4月の消費税引き上げ以来、ひと月たりとも増税前を上回ったことがありません。区長はこの事態をどのように認識されていますか。うかがいます。

○次に、国民健康保険についてうかがいます。
 日本共産党は11月1日に、「高すぎる国民健康保険料を引き下げ、住民と医療保険制度を守ります」とした政策を発表しました。そこでは、「国保料が国保制度の構造的な危機となり、医療保険制度としての持続性を揺るがしてい(る)」こと、「所得は低いのに保険料はいちばん高い」といった被用者保険との不公平をただす政治の責任に言及しています。その上で、全国知事会なども強く要望している公費の投入で国保料を協会けんぽ並みに引き下げることを提案しました。国保料が協会けんぽなどの被用者保険と比べて、著しく高くなる大きな要因になっているのは、国保にしかない世帯員の数に応じてかかる「均等割」などの保険料算定のためです。
 東京23区統一国保料の「均等割」は、39歳以下で1人5.1万円。中野区では4.95万円となっています。低所得者には減額制度があるものの、子どもの数が多いほど国保料が引き上がる「均等割」には、「まるで人頭税」「子育て支援に逆行」という批判の声があがり、地方団体からも見直しの要求が出されています。
 特別区長会においても「定率国庫負担割合の増加…など、国庫負担を充実させ(る)」ことなどを求めています。
 国保に対する国の責任後退と国保の加入者の貧困化・高齢化・重症化が進むなかで、国保料の高騰が止まらなくなりました。国保の構造的な危機を打開するためには、国庫負担を増やす以外に道はありません。この点での区長の見解を求めます。
 
○国保について特別区長会は、東京都に対しても「激変緩和措置及び財政支援のさらなる実施」を要望しています。とても大切なことではありますが、法定外繰入の解消をめざし毎年の繰入の減額が行われることで、来年度以降も国保料があがることを前提としています。東京都は今年度の14億円の投入に続き、来年度は17億円の支援額を推計していますが不十分です。東京都に対していっそうの財政支援を求めるべきですが、いかがですか。うかがいます。

○子育て世帯への負担軽減についてもうかがいます。
特別区長会の国への要望では「子どもに係る均等割保険料の軽減措置を始めとした制度の見直し…。また、国の責任において区市町村の補助制度に対する財政措置」を求めています。「子育て先進区」を謳う中野区が率先して実施を検討していただきたい。区民のくらしと健康を支えると同時に、実施による他区への波及効果はとても大きなものがあると考えます。
今年4月から未就学児に限り、国民健康保険の国庫負担の減額措置(ペナルティー)が廃止されました。ところが厚生労働省は、ペナルティー解消によって生まれた財源の使い道を医療費助成以外で活用するよう自治体に指示していました。これに対し、国会では「地方自治体への侵害」と追及され、厚生労働省は「国として強制する、禁止するものではない」「自治体自ら適切に判断いただくこと」だと、ペナルティーがなくなって生まれた財源を医療費助成拡充に使うことを事実上認めた答弁がありました。このことを踏まえ、子育て世帯への負担軽減のために、さらなる均等割保険料軽減を含む拡大を研究・検討すべきと考えます。答弁を求めます。
 
○次に、児童相談所設置にあたってうかがいます。
目黒区で5歳の女の子が死亡するなど児童虐待による悲惨な事件が相次いで起きています。児童虐待の深刻な事態をふまえれば、児童相談所の児童福祉司・児童心理司の大幅増員などの拡充が求められています。
中野区では、児童相談所を2021(平成33)年度に開設する予定としていますが、児童相談所の設置にあたっては、次の点についてうかがいます。
1点目に、現場の経験のある職員が移管なり派遣されることが望ましいと考えますがいかがですか。2点目に、財源確保策として、特別区長会では都区財政調整の基準財政需要額に算定されるものと主張していると承知しています。都区財政調整の配分割合の変更を含め、強く求めるべきではないですか。答弁を求めます。

(2)区政運営について

○中野区公共施設総合管理計画について、うかがいます。
 中野区公共施設総合管理計画は、10か年計画(第3次)と整合性を図るとしていたことから基本構想・基本計画の検討にあわせた見直しが必要となっています。
公共施設を考えた場合、財政負担などだけでは測ることのできない視点が必要です。
1つは、基本的人権という視点をすえる事です。施設総量の削減が示されているもとで、住民の暮らしや地域がどうなるのか、そのことをきちんと検討しなければなりません。住民生活のなかで、その場所に、その機能を持つ公共施設があって守られること、生かされることが厳然と存在します。
 もう1つは、コミュニティーの観点をしっかり持つ事です。コミュニティーの存在が、歴史的に強く地域を支えてきたことが多くの研究によって示されています。コミュニティーは一朝一夕に形成されるものではなく、その将来に多大な影響を及ぼす政策については慎重でなければなりません。
 また、長寿命化の事業によって公共施設を残していくことも考えられます。長寿命化では計画的な修繕、耐震化など予防保全を強化し、更新時期の延長、財政の効率化を図っていくことは重要です。場合によっては、維持管理の負担が大きくなる可能性はありますが、地域での混乱は避けられる利点があります。
 中野区の公共施設等総合管理計画の見直しにあたっては、こうした視点を持って策定していただきたいと考えます。答弁を求めます。 

〇中野区公共施設総合管理計画では、公共施設の老朽化や財政見通しなどをデータとして示しながら、住民に公共施設の再編が不可避であることや施設の統廃合が財政効率的に見て合理的であることを提示しているようです。マネジメントとしてその役割があるとしても、住民からみれば具体的な特定施設が統廃合の対象として俎上に載ってこない限り、議論は顕在化することはありません。住民にとっては、なぜ施設が統廃合の対象となるのか、施設には別の使い道がないのかなど、熟慮されるべき事柄は非常に多くあります。先に触れた点も踏まえ、計画の見直しにあたっては住民参加をどのように確保していくのか、うかがいます。

○次に、職員体制についてうかがいます。
これまでも我が会派として職員2000人体制の見直しについて質問をしてきたところですが、改めてうかがいます。
 区は「適切な定数管理を進めてい(く)」としていますが、もはや2000人体制の弊害、綻びが全庁的に散見する事態になっていると認識しています。
 分野によっては繁忙期に限らず「有給休暇がとれない」「休み時間も割かなければならない」「超過勤務をしなければ仕事が終わらない」など、職員の労働環境の低下が区民サービスの後退をもたらしかねない事態が放置されているのではないでしょうか。
 まちづくり等の分野においては、土木系の職員が不足している状況があると聞いており、区民からは手続きが円滑に進まない場合があると聞きます。財政効率や民間活力の名による長期にわたる継続的な委託業務も増え続けています。また、指定管理者による運営管理についても制度導入時は2事業者であったのが38まで増えています。そのため契約関係等では業務量が増えているとも聞きます。委託や指定管理であれ区の業務であり、その責任においては何ら変わるものではありません。区のマネジメント力は質だけでなく量的にも不足していると言わざるを得ません。区民サービス向上と新たな行政需要に対しても、「現場に人を増やして」の声が漏れ聞こえます。
 また、病気休職に対応する臨時職員の確保も困難な上、期間の定めがあることで細切れになるため、業務の継承が図られず、この点では何らかの対応が必要です。企画・予算・人事など官房系が、特にこの問題では人事分野が各部の職員の状況を把握し改善を図ることが必要になっていると思われます。
 2000人体制の見直しを行い、職務に必要な適正な職員配置を行うことを求めます。お答えください。

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