特別区財政調整交付金の都区間の配分割合は、都と特別区での協議の結果、2020年度は区側55.1%、都側44.9%となった。区はその理由に、「平成29年度から児童相談所関連経費について、基準財政需要額に算定した上で都区間の配分割合を変更すること。都側から特例的な対応ということで配分割合の提示がされた」と述べている。

児童相談所関連経費を都区間の財源配分の協議で主張することは重要である。同時に、配分割合の変更はこの件だけにとどめてはならない。子ども医療費助成、眼科検診、学校運営費など、特別区側が提案していた事項も協議が整わなかったことで見送られている。
そもそも特別区側の行政需要は増え続けている。本来、基準財政需要額に算定すべき事項は多いのが実情である。
現行の「都区制度改革実施大綱」から20年以上が経過している。改めて、配分割合については、都区間で大本からの協議が必要ではないか。

都区間の配分割合の変更については、都と特別区の事務配分または役割分担に大幅な変更があった場合、大規模な税制改正があった場合、その他必要があると認められる場合ということで定められている。都区の意見は、大きな隔たりがある状況。議論を投げかけていく必要があると考える。


児特別区財政調整交付金の総額は、普通交付金95%、特別交付金5%である。都側は「5%を大きく超える規模で申請されているから、これらの財政需要を着実に受け止めるためには、5%が必要」と主張しているのに対して、「算定の透明性・公平性が高い普通交付金の財源を確保するためには、5%から2%に引き下げるべき」と、特別区側は毎年度、主張している。特別交付金の交付額は都側の裁量で決められているのが実態であり、透明性・公平性は確保できていない。2%への引き下げを強く求める。
また、今後、都区財調の配分割合の協議にあたっては、真に財源保障と財政調整機能を確保する制度として、いっそう特別区長会が一丸となって臨んでいただきたい。

国の税源偏重是正措置により特別区の財源は縮小し、区を取り巻く財政環境は非常に厳しい状況が続いている。こうした中、財調協議による配分割合の適正化を含めた都区財政調整制度の抜本的な見直しは、特別区にとって非常に重要なことである。区長会において議論を投げかけ、各区長と歩調を合わせ、連携して取り組んでいきたい。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください